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低音デュオ 4th LIVE

11月最後の上京より鹿児島へ帰って参りました。
3回の上京で4曲が上演となった11月。
その最後の4泊5日について、何回かに分けて書きたいと思います。

先ずは、24日(木)に門前仲町の門仲天井ホールで開催された、
低音デュオ 4th LIVE』について。

低音デュオ」とは、声(バリトン)の松平敬さんと、
テューバ、セルパンの橋本晋哉による現代音楽ユニットで、結成は2006年。
いつも刺激的なプログラムの公演を開催されているので、
いつかお伺いしたいと強く思っておりました。

刺激的なプログラムとなる一因は、やはり、この編成だからだと思います。
特異な編成のため、新作の委嘱に力を入れていて、
この編成のみならず、現代音楽全般のレパートリーを豊かにされています。

今回の委嘱新作は、山根明季子難波研杉山洋一木下正道の各氏によるもの。
そして、再演となる松平頼暁氏の委嘱作品まで一夜で演奏されるという贅沢さ。
一部の人は告知を見ただけで、興奮の余り、鼻血を出してしまうかも知れません!ww

私の拙い文では、本公演の衝撃を伝えるのは不可能です。
この編成から、あんなに豊かな音が聴こえるなんて、本当に驚きました。
しかも、最初から最後まで全く飽きさせないステージを展開されるのも、
現代音楽の公演では、なかなか稀有なことだと感じました。
それには、松平さんと橋本さんのキャラクターも強く関係していると思います。
以前、Twitterでのやり取りにて、松平さんは私に、
「個人的には(ウケ狙いとは違った意味での)ユーモアの要素は重要だと思っています」
というアドバイスを下さいました。
それをまさに実践されている、素晴らしい内容でした!

さて。
本公演までその多くを語られぬままに初演されたものがございます。
様々な憶測を呼んだ『モンテヌス写本』なるものです。

昨年、イタリアにて発見されたこの写本。
主にラテン語で書かれていたそうですが、中には東洋系と思われる解読不明の言語もあり、
しかも、12-14世紀のものと推測される一方で、
常識的な記譜法から大きく外れた形で記された楽譜が差し込まれているなど、
その異例なまでの斬新さゆえに、この写本を偽書とみる研究者も少なくないとのこと。
この写本のコピーから今回は5曲が選定され、
低音デュオのお二人により編曲、リアリゼーションされました。

上記の委嘱作品の前後に写本からの曲が演奏されるという形式で、
《Summa Monténuss》《Totus floreo》《Phyton, le mervilleus serpent》
《Astra polorum》《Volui obviam.》の5曲が演奏されました。

云うまでもなくというか、何と申しましょうか。
この『モンテヌス写本』は、偽の写本です。www
「モンテヌス」とは、門仲天井ホールの愛称「もんてん」から取られたもので、
13世紀から14世紀のスタイルの二声楽曲をベースに、
作曲者のオリジナルな仕掛けを施した2分程度の小品が秘密裏にww集められました。

そして、その作曲者というのが、低音デュオのお二人に加え、
山本哲也細木原豪紀の両氏と私でございました。

9月にこのお話を頂いた時、舞い上がるくらいに興奮してしまいました。
だって、低音デュオのお二人に演奏して頂けるのですよ!
早くても10年後くらいの目標に掲げていたので、大変嬉しかったです!

しかし、いざ作曲しようとすると、かなり難しいことにすぐ気付きました。
ずっと頭に引っ掛かっていたのは、上述の「ユーモア」です。
私に最も欠けているであろう要素の一つ。
しかも、同時に上演される『モンテヌス写本』を含めた委嘱作品の数々は、
きっとクオリティが高く、魅力的な作品ばかりが集まる筈。
「自分のやりたいことをやろう」と思えるまで、意外と時間が掛かりました。

私が担当したのは、杉山作品と木下作品の間に演奏された《Astra polorum》で、
11世紀のフランスで作曲された同名タイトルの曲(作者不詳)がベースになっています。
直訳すると「天上の星」。
勿論、「天井」を意識しました。
バリトンはこの旋律をオリジナル→第1変奏→第2変奏→第3変奏の順に歌い、
変奏が進むにつれ、音域がどんどん上がっていきます(最後はファルセットのみ)。
これに対し、テューバは、最初は《Astra polorum》を奏するのですが、
途中から中島みゆきさんの《地上の星》から抽出された旋律
(リズム構造はノートル・ダム楽派のリズム・モードを参考にした)を、
第2変奏→第1変奏→オリジナルの順に奏していき、
オリジナルへ近付くにつれ、音域がどんどん下がっていきます。
(最終的には声とテューバが4オクターブ近く離れます)
また、スコアとは別に「リアリゼーションの手引き」も添付されており、
幾つかの特殊唱法、奏法が入り乱れることで、
シンプルな楽譜から多少カオスな音世界が浮かび上がることを意図しました。

曲と曲の間に演奏されることから、箸休め的な意味合いもあったのかも知れませんが、
拙作を含め、ハードな作品が並んだ『モンテヌス写本』。
門仲天井ホールへの愛が詰まった山本哲也さんの《Summa Monténuss
終演後、全ての話題をさらってしまったかのような細木原豪紀さんの《Volui obviam.
(私の推しメンは、咲子さんです!ww)
共に、小品でありながらも大変刺激的な作品でした。
(それぞれのページで詳細な解説やスコアを閲覧することが可能です)

こんなに素晴らしい作曲家の皆様と一緒に(松平頼暁、難波研の両氏とは2週連続)、
低音デュオさんのステージで上演して頂けたこと、
しかも、憧れの門仲天井ホールで初めて拙作を上演して頂けたこと、幸甚に存じます。
公演中、窓からは打ち上げ花火を見ることも出来ましたし!(舞浜方面?)
声やテューバ、セルパンのための作品ですが、独奏などの別編成も含め、
今度は小品ではないものにも挑戦したいです!

皆様とのご縁に感謝!


Astra_polorum1Astra_polorum2
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