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贅沢。

三味線と打楽器の「遭遇」打ち上げ

今月7日、東京・両国門天ホールにて、
本條秀慈郎×會田瑞樹―三味線と打楽器の『遭遇』―」が開催され、
三味線とヴィブラフォンのための委嘱新作《兎角》を初演して頂きました。

同世代の優れた音楽家であるお二人。
その初共演となる公演で拙作を選んで下さったこと、
大変難儀なアンサンブルを実現して下さったことに、心より感謝申し上げます。
また、私の楽譜は叩き台に過ぎず、
そこからヘッドアレンジのように作り上げて頂くことを望んでいますが、
今回はこれが良い形で実現出来たのも嬉しくて、
お二人のデュオとしての魅力が、少しでもお客様に伝わっていたら幸いです。

ここで、作品のご紹介。
タイトルの「兎角(とかく)」とは兎の角、つまり、現実に存在しないもののたとえ。
私なりの「数と無意識」の試行であり、多重時間を構成するヒントとなったのは、
Aphex TwinとFlying Lotusの新譜に関する渋谷慶一郎さんのツイート。
2種類の全音音階を自由に組み合わせており、無調的な響きが多くを占めますが、
タイトルに肖って、G(ト)音を中心音のように捉えました。
また、リズムや音程関係においても、タイトルのモールス信号を参照しており、
スケッチの初日が命日だったモーツァルトの《交響曲第40番ト短調》も引用されます。
(第1楽章の有名な主題が、全音音階で上手く区切れると判断したため)

本作の三味線に関して、津軽の奏法で攻めることは極力避けました。
単なる受けの良さを狙わず、私なりの「三味線らしさ」を追求したつもりですが、
昨年、本條さんに初演して頂いたチェロとの二重奏曲《いったんもんめ》よりも、
より古典的なアプローチに感じた、という声を幾つか頂いて、
三味線を冒涜してしまったのではないかという心配は払拭されました。
色気さえ感じさせる本條さんの演奏だからこそ、そう聴こえたのでしょう。
尚、民謡や端唄を三味線で自由に演奏して頂く指定がありますが、
本條さんは《鹿児島浜節》を選んで下さり、彼の「粋」を感じることでした。

兎角》を作曲するために必要だったのが、ヴィブラフォン独奏曲の《》でした。
1月の「會田瑞樹ヴィブラフォンソロリサイタル鹿児島公演」で初演されましたが、
自分の音楽を否定したくて、でも、それならばどういう音楽を作りたいかが分からず、
何もかも破綻してしまった八方破れな作品です。
その一方で、否定したいと云いながら、自分の欲に正直過ぎる作品でもありました。
どうしようもなく苦悶していた気持ちをリフレッシュするためには、
このスコアを完成させて、初演して頂くことが絶対に必要だと意気込んで作りましたが、
今回、會田さんが真摯に再演して下さったことで、己の弱さを恥じ入ると共に、
作品の反省点ばかりが耳に付くようになりました。
主情を重んじる會田さんの演奏だからこそ、浮き彫りとなった音楽の本性です。
もし再演が実現するなら、その時は朱を入れるかも知れません。

今後、本條さんと會田さんのために様々な作品が作られることでしょう。
兎角》も再演して頂ける際は、より精度の高いアンサンブルを体験出来る筈。
ご来場が叶わなかった方々も、次の公演が決まった際は足をお運び頂きたいです。

音楽家に限らず、素敵な方々との出逢いのおかげで、
田舎暮らしで無名かつ非力な未熟者ながら、面白い活動を続けられていますが、
生活を考えると、このペースでの活動は長く続かないだろうと不安になります。
今年の確定申告でも、旅費交通費が占める割合に自分で驚いてしまいました。
でも、こんなに贅沢なご縁や運もなかなか無いでしょうから、
自分に負けないよう、課題を一つずつ解決しながら頑張って参ります。

兎角1

兎角2

兎角3

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