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下僕。

声と二十五絃箏のための《序の歌》が、山本亜美さんによって先週初演され、
今年の新作初演は、これで8作品すべてが終わりました。
一口に現代音楽と云っても、そこに求めるものは人それぞれ。
委嘱者のレパートリーや過去の発言などを勉強した上で作曲しますが、
作曲の手法は大きく変わらないとしても、私ごときが独りで考えても発想し得ない、
いずれも、委嘱者や初演の機会のおかげで作れた音楽となりました。

来年の委嘱新作の打ち合わせも、それぞれ進んでおります。
先日、以前より気になっていた団体から新作の打診を頂きましたが、
先方が初演されている委嘱作品は、前衛的・実験的な印象が強く、
本当に私の(退嬰的とすら批判される)音楽で良いのか、疑問を正直に伝えましたら、
「前衛的でありながらも、馴染み易く、聴き易い作品に魅力を感じている」と、
具体的な作品名を挙げたご回答を頂き、喜んで引き受けることにしました。
どの拙作かによって、意外と印象が変わるようなので、いつも注意する所です。

ただ、聴き易さだけが売りで、毒にも薬にもならない音楽だったら、
それは演奏者や聴き手にとって拷問であり、人生の浪費にもなりかねません。
また、これまでに無い音楽を(アンプラグドな環境で)夢見ることは、
2014年現在においては困難を極めますし、それは先達の仕事への反省も促しており、
一方で、快感を得易い懐古的な前衛性は、注意深く避ける必要があります。
新作に取り組むのは、本当に難しくて、面白い。

「自分なりの音楽を見つけて、丁寧に取り組む。その下僕となれ」
私の活動はこれに尽きますが、でも、弱気になることも多々あります。
「この機会に私はこれしか作れない」と開き直るまで一音も書けないのですが、
次があると思えるから、アイデアを容赦無く絞り込み、切り捨てることが可能になります。
作曲者が出品料などを払って演奏してもらう系の公演でよく聴くような、
今年はこの1曲に賭けています、と言わんばかりに詰め込んだ力作は苦手ですし。
美しさや制度的問題も否定せず、ただひたすらに、沢山の「音楽」を作り続けたい。
無計画なオプティミズムだとしても、その果てに生まれるであろう何かに賭けます。

現在取り組んでいるのは、會田瑞樹さんのためのヴィブラフォン独奏曲《》です。
この楽器のためには、乱打が主体の作品も、特有の音響を求めた作品も既にある。
自分も、彼の委嘱で《moonlight dancer》という、弓奏に特化したソロを作曲済み。
この状況で今度はどうしようか迷っておりましたが、何とか終止線に到達。
単一楽章のヴィブラフォン独奏曲にしては、少し長めの音楽かも知れません。
會田さんが問い掛けるヴィブラフォンの可能性に対し、私なりに答えているつもりです。
現在、鋭意浄書作業中。

先ずは腐らないことが大事だと、強く感じる昨今。
無名の作曲家相手に「いい気になるな。自惚れるな」というご注意も届きますが、
興味のある公演にも伺えない程度の生活ですので、其れ処じゃありません。
私はただ、音楽のために、毎日を楽しく過ごしております。

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