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広島でのあれこれ

広島滞在から1週間。
向こうでの出来事をブログに書かなくては、と思いながら、
日々の雑務にばかり取り組んでいたら、こんなに時間が経ってしまいました。
時間の使い方を考えなくては。

9月1日に開催された「山田岳 ギターリサイタル広島公演」については、
こちらをご覧頂きたく存じます。


9月16日(金)、広島市西区にある「ひらの眼科」さんで開催される
第40回健康講座とクラシック演奏会』にて、
伊藤憲孝さんにより、ピアノのための《雫》が演奏されます。
そこで、9月1日、エリザベト音楽大学にて、
ギタリストの山田岳さんと一緒に、伊藤さんの練習を聴かせて頂きました。
(伊藤さんと山田さん、ヴァイオリンの米川さやかさんは「Trio ku」としても活動されています)

《雫》は、昨年作曲しました。
雫のさまざまな様態をコレクションしたような音楽、なんて説明してしまうと、
四方八方から矢だの槍だのが飛んで来そうで恐いのですが。ww
でも、そういう音楽です。

作曲上の課題としては、先ず、私の苦手なピアノと対峙すること。
これが一番でした。

内容としては、現代音楽で使い古された印象すらある、
最高音域と最低音域を同時に強打する音響がありますけど、
私は、あれがどうも苦手で…。
だからこそ、自作で試してみたくなりました。

もう一つは、これは坂本龍一さんの影響もあるのですが、
ギター的な発想でピアノのために作曲すること。
ギタリストにとっては自然な、開放弦が鳴ってしまっているような感じ。
それをピアノでそのまま鳴らすと、かなりキツい響きになったりするのですが、
各音のタッチを変えることで、ギターの弦の太さや材質がそれぞれ違うように、
柔らかく響かせることも絶対に可能だと思うのです。

この曲で意識したギタリストは、ポール・サイモンでした。
意外に突っ込まれなくて寂しい思いをしているのですがww、
《雫》は冒頭から不快な不協和音だとか言われたこともありますが、
実は、名曲《スカボロー・フェア》のギターのイントロから取ったものなのです。
メジャーコードの3度と4度がぶつかっている感じ。
あの和音をギターで弾くと、かなり綺麗な響きがします。

ギター的な発想の延長で、
この曲では和声の平行移動と解釈出来る動きが幾つも出て来ます。
大雑把に云ってしまうと、曲中に出て来るコードは、DとEフラットが殆どで、
時々、Eが入って来る感じです。
アッパーストラクチャートライアド的な考えのものも幾つかは含まれていますが。

音楽関係者のみの非公開での演奏も含めると《雫》を3回演奏して下さった初演者、
樋園亮さんの演奏は、いつまでも続く永遠を求めるような感じがしました。

そして、今回。
私は、拙作を初演者以外が演奏するのを初めて聴かせて頂くことになったのですが、
伊藤さんの奏でる《雫》は、今までと全く違うものでした。
これは、ポジティブな意味で申しております。
大変嬉しい体験でした!

伊藤さんの《雫》は、今だけの刹那的な音像を求めるような感じが致しました。
雫が水面に落ちる瞬間、微かに跳ねる水の運動にフォーカスが当たっているような。
デビューアルバムで、リストが編曲したベートーヴェンの《交響曲第7番》を
見事に好演されている伊藤さんです。
楽曲へのアプローチも含め、明晰な演奏が《雫》の新しい一面を見せて下さいました。

本番にお伺い出来ないのが大変残念なのですが、
きっと素晴らしい《雫》を響かせて下さることでしょう。

新作だけを演奏して頂くことが良いことだとは全く思いません。
むしろ、再演の機会を作っていくことに作曲家側も努力すべきだと思います。
ただ、こんなにも素晴らしいピアニストさんと出逢えた以上は、
いつか、伊藤さんのために新作を作曲したいと考えております。
密かな野望。
気長に待って頂けると大変有難い話。ww

その伊藤さんですが、YouTubeに、
Elliott Carter《90+》の演奏動画を昨日アップされました。
こちらも大変素晴らしい演奏です。
ピアノって、本当に美しい音響の楽器だと再認識させられる演奏。
是非、お聴き頂きたく存じます!


この練習の前、伊藤さん、山田さんに、
鉄板焼 炉端焼 zaza」でランチをご馳走して頂きました。
お好み焼きとたこ焼きがコラボした、初めての食感。
おもちもトッピングしました。
パイナップルとパッションフルーツは入れなかったのでww)

そこで、お二方と現代音楽のことを中心に様々なお話をさせて頂きました。
ピアノとギターのこと、現代音楽をホールで演奏する際の問題点、
日本とドイツの現代音楽事情の良い所、悪い所、などなど。
普段、人見知りで口下手なのに、
大好きなアニメが始まるとTwitterへ異様に連投するのと同様に、
現代音楽の話になると止まらなくなることが多い私。
オタク気質そのものですね。ww

山田さんには、彼のリサイタルのゲネプロ時にも、
ギターと相性の良い楽器や、エレキギターのために作曲する際の注意点など、
色々と教えて頂きました。
本番前の貴重な時間なのに、どんどん話してしまう私。
申し訳無かったですm(__)m


山田さんのリサイタル終演後、ご挨拶させて頂いたのは、
広島在住の作曲家・即興演奏家、寺内大輔さん。
6月にでもご挨拶させて頂いた方です。

この日に初演された拙作《楓》や、日本初演となったPisatiの作品などについて、
幾つか意見交換致しました。
なかなか痛い所を複数突かれましたが、その忌憚の無い態度が素敵でした。

その寺内さんが、先日、本を出版されました。
タイトルは、『音楽の話をしよう -10代のための音楽講座-』です。
「子ども向けの本だから…」と謙遜されていましたが、
大人にとっても、読み応え十分です!
私が最初に惹かれたのは、「何も表さない音楽」と題されたページ。
ストラヴィンスキーの発言を引用しながら、明快に語られています。
おすすめの一冊です!


広島で強く感じた、考えたこと。
もっとディープな現代音楽の世界に入って行きたいです。
それも、時代に反するかも知れませんが、硬派な姿勢、作品で。

同人音楽への造詣も深い井手口彰典さんの著書に、
ネットワーク・ミュージッキング:「参照の時代」の音楽文化
という素晴らしい本があります。
CDやレコードによって音楽を所有する習慣が無くなることは考えられなくとも、
広大なネット上で音楽を参照する機会が、
スピーカーの前で姿勢を整えてから音楽を鑑賞する時間を凌駕し始めたことは、
紛れも無い事実でしょう。
私たちは、手間さえ惜しまなければ、
前世紀までは不可能だった量の音楽と出会うことが出来ます。
それらを参照した上で、音楽の歴史、3月11日以降の「日常」などを照らし合わせて、
新しい音楽を想像・創造することは、まだまだ可能だと信じております。
サントリー芸術財団から発行された『日本の作曲 2000-2009』でも語られていますよね。

現代音楽がジャンルとしての飽和を迎えたこともまた、事実です。
ただ、元々、現代音楽はジャンルではない筈。
「ポストモダン」なんて言葉が存在してはいけない精神領域だと思うのです。
歴史の読み直しも、更なる新しい観点で可能となって来るでしょう。
現代音楽の作曲家に課せられた命題、仕事は、まだまだ沢山あります!

良くも悪くも、中島みゆきさんの《世情》の世界です。

11月と12月には、
新作や近作ばかりが集められたコンサートにて拙作を演奏して頂ける機会が、
幾つか予定されています。
どうやら、既に告知しているもの以外に2件、新たに加わりそうです。
拙作は、クラシックの名曲が中心のコンサートで演奏されることが多いので、
このような環境で拙作が演奏されることは、
作曲コンクールの本選会を除いては、殆ど無かったことです。
昨年末に開催された上田希さんのリサイタル『毒っとクラリネット!
くらいではないでしょうか。
現代音楽の作曲家らしからぬ状況かも知れませんね。ww

来年の上演予定も、幾つか決まっております。
これまた未体験のゾーンに突入する予感が致しております。

音大にも通わない身分で、
幾らでも選択肢があるこのご時世において、
私は現代音楽を選びました。

或る人は言います。
「君が語る作曲家の名前なんて、世間では誰一人として知らないんだよ」
そういうことを分かっていない程に、私の言動や生活が馬鹿に映っているのでしょう。

笑われればいいと思うよ。

もっともっとやってやろうじゃないか。

そんなことを考えた、広島での3泊4日でした。


ちなみに、現在考えているのは、
私が頻繁に用いるアルペジオやスケールの連続が得意そうな楽器に、
敢えて、それを演奏させないような曲です。
他の曲でも、同様に制限を課した上での自由を獲得したいと考えております。
恐怖のワンパターンを、美学的な問題も含め、解決させたいです。
五線記譜で可能な音楽だって、まだまだある筈。
五線記譜を用いない音楽だって、挑戦したい。
図形だけでなく、一線譜の音楽にも興味があります。
小さな一歩かも知れませんが。
それでも、一歩前進したいのです。

色々とやる前に、Twitterのアイコンを変える方が先かも知れませんが。ww


最後に、もう一つ。

広島で購入しようと決めていた本の1冊なのですが、
宇野常寛さんが責任編集を担当された『夏休みの終わりに』もおすすめです。
私は、ゼロ年代の批評や思想の流れに大きな影響を受けました。
その方々が語る筈だったテン年代は、
2011年3月11日14時46分という歴史の転換点により、全く違うものになったことでしょう。
宇野さんをはじめ、濱野智史さん、黒瀬陽平さん、村上裕一さん、坂上秋成さんなど、
ゼロ年代を象徴する論客たちが大いに語った一冊。
宮台真司さんや中沢新一さん、小熊英二さんも登場します。
購入の手段が限られていますが、是非、お手に取って頂きたいです。


いつも通りの乱文、最後までご覧頂き、誠にありがとうございました。


p.s.
広島では薄い本(全年齢対象ばかりですww)も沢山買いました。
これは、特に面白かったですよ!
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