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本気。

ある楽譜を、いつ何処で誰が弾いても同じ音楽になるなんて有り得ません。
でも、楽譜を介して音楽を実現させる表現に取り組んでいる以上、
楽譜そのもののクオリティには細心の注意を払う必要があります。
初めてご一緒する演奏家と事前に打ち合わせを重ねたところで、
本当の初対面は、私がお送りした初稿をご覧頂いた時だと考えています。

この楽譜を深く読み込みたい。早く練習したい。
そのように思って頂けないのであれば、本番は既に失敗したようなもの。
リハーサル時に演奏家が乗り気ではないように感じられた場合は、
作品の巧拙や相性、お互いのコンディションなどという以前に、
レイアウトや譜めくりの位置も含めた、楽譜作りに問題があることも多いようです。
(作曲家によっては、締切を守れなかったケースもあるらしい…)

とは云え、どんなに注意して作っても、問題が見つかることは多々あります。
1年も経てば、自身の浄書の趣味も変わるでしょう。
出版社の担当者と繰り返し校正を行っても、見落とす凡ミスだってあります。
だから仕方ないというのではなく、その人の音楽が伝わる最良の記譜法に、
やはり全力で取り組むことには変わりありません。

先日、ある演奏家によるアレンジの楽譜を拝読する機会がありました。
演奏家が自分のリサイタルや、同じ楽器の友人のために、
作・編曲するくらいは出来た方が良いだろうと、私だって考えます。
でも、パート数が10を超えるようなアンサンブルの場合は、
作・編曲を専門的に学んだ人を起用することも考えて欲しい。
和声や対位法、管弦楽法や浄書の作法などを学生時代に齧ったとしても、
それらが結実していない楽譜から出て来るのは、きっと悲惨な音楽でしょう。

県内で頑張っている、音大出身ならびに在学中の作曲家が、
演奏家やイベントの主催者と出会い、もっと起用される流れが生まれて欲しい。
しっかりと予算が組まれて、責任の所在をはっきりさせるためにも、
フライヤーやホームページ等の告知で作・編曲者の名前が掲載されるような、
依頼をする・される関係性を築かなくてはならないと考えます。

余談ですが、私は独学の紛いもので、兼業作曲家という素人です。
なので、効率性を無視したオーバーワークをしてしまいます。

JASRACに登録しておらず、独自の契約書も作っていないため、
委嘱新作の初演時には作曲料が発生しても、
その他の初演時や、全ての再演時には収入が全くありません。
それでも、再演してくださる相手からリクエストがあれば、
音楽を改訂し、スコアやパート譜をより使い易く作り直し、
全体とパート毎のデモ音源を無償で作ることだってあります。
(デモ音源は、流石に作品内容に依りますが…)

先日頂いた案件は、公演の運営自体が上手く出来ていない印象でしたから、
円滑にリハーサルを進めて頂きたいと考え、すぐにアレンジに取り掛かり、
低予算のご依頼でしたが、頼まれていないデモ音源まで作りました。
ただ、最後の推敲をしようという所で、契約が反故になりましたが。

これらは全て、善意や良い格好しいなどではなく、
私の音楽を思い描く形で演奏して頂きたいための対策に他なりません。
演奏家の方がハードな練習に取り組む訳ですから、全く苦ではないです。
お金は確実に必要なので、いつまでも手弁当ばかり続ける訳にもいきませんが。

楽譜を介する音楽は、本番や全てのリハーサルに作・編曲家が立ち会うとは限りません。
(私の場合は単に、毎回の旅費交通費を自腹で払い切れないだけですが…)
リハーサルの経過や本番時の録音を送って頂くよう、必ずお願いするものの、
海外の公演など、本当に演奏されたのかさえ、全く分からない場合だってあります。
なので、演奏してくださる方々が本気になって取り組めるよう、
楽譜やそれに付随するもの(口頭での指示も含む)の制作に、全力を投じるのです。

個性溢れる手書きの楽譜に限らず、
市販のソフトで浄書した楽譜からも、作曲家の意図や本気は読み取れるでしょう。
楽譜を介する以上は、使いものにならない楽譜では駄目なのです。
演奏のクオリティを向上させる意味でも、より良い楽譜を作らなくてはならない。
ここ数日の出来事を経て、改めて、肝に銘じることでした。

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