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楓柚。

27日、高円寺・片岡マンドリン研究所で開催の「話音倶楽部スペシャルリサイタル」にて、
望月豪さんが委嘱新作《Ice Trick》を初演してくださいました。
初演に立ち会わないという、作曲家として恥ずべきことをしてしまいましたが、
どうやら無事に終わったようです。

「2012年に作曲した独奏曲《a frozen doll》の続編的な内容で、より技巧的な作品を」
このお題と共に、望月さんからご希望頂いたのが、ボトルネック奏法でした。

正直に申し上げると、大変困りました。
というのも、昨年作曲したギター二重奏曲《エリクサー》の初稿と改訂稿で、
私なりに徹底して、ボトルネックを試したつもりでしたし、
最近の現代音楽界隈でボトルネックの使用が多く見られることから、
「もうネタが無い」と感じてしまったのです。

ただ、楽器を膝の上に寝かせて、ボトルネックを握って使うことはあっても、
ブルースマン達のように、楽器は通常の構え方で、
ボトルネックを指にはめた状態で演奏することが少ない、という現状には不満がありました。
それだけ専門性が高くて、本来は手軽に扱えるものではない、ということですが、
ここに挑戦してみる価値はあるだろうと考え、望月さんにも同意を得ました。

つまり、ピッチを相対的に記譜して、奏者の裁量に任せて演奏させるのではなく、
ピッチを指定したフレーズをしっかり弾くことを前提に作曲しています。
これには、プログレやヘヴィメタルを含む音楽でコード楽器として使われる、
フラットマンドリンのイメージが反映されていますし、
コードの平行移動が多用される点は、サンプリング以降のポップスや、
和声の文脈が確立される以前の音感を参考にしました。
また、ボトルネック奏法によるピッチのずれと、
ナチュラル・ハーモニクスの対比を設定出来るなど、
ボトルネックを使用したことが、作品の色を決めてくれたと思います。

望月さんからは奏法のサンプル動画を幾つも送って頂き、
私も下手なりに弾いた録音を送り返すという作曲の過程は、大変刺激的な体験でした。
ただ、私の奏法の吟味が甘かったため、練習動画では毎回同じ箇所で弦が切れていましたが、
これを修正して臨んだ本番では、無事に最後まで演奏出来たようです。

終盤では、口笛が登場します。
以前、望月さんが口笛を吹いて、ホールの響きを確かめるのを見たことがあり、
訊ねてみると、かなり得意らしく、これまたサンプル音源を沢山送ってくださいました。
本作では、ボトルネックの動きに合わせたアドリブをお願いしましたが、
まだまだ掘り下げることが可能だと思いますので、今後も挑戦して参ります。

タイトルの「Trick」は「無邪気ないたずら」という程度の意味で用いていますが、
そんな取るに足らない行為が、いつしか取り返しのつかない事態を引き起こすような、
(ホラーやSFの作品にありがちな)世界観をイメージしています。
ただ、具体的なストーリーは無く、簡単なルールに基づいて音を決定しただけです。
尚、リズムモチーフの一つとして、モールス信号のSOSを採用しましたが、
当時、そういう心境だったんでしょうね(しみじみ)
それよりも「桜Trick、2期希望!」と思う今日この頃です(楓ゆずは私達の未来と希望

初演に対して、客席でどういう反応があったかは存じませんが、
ある方から「めちゃめちゃ良かった!」というメールが届き、嬉しく思っている所です。
望月さんは「今後も演奏したい」と仰っていますので、
いつか私も生で体感出来るのを、楽しみにしております。

来年2月に初演される二重協奏曲《Azure Child》では、
望月さんがソリストの一人を務めて下さいます。
共演は、クラリネット:Thomas Piercy
指揮:鷹羽弘晃リベルテ マンドリンオーケストラの皆さん。
会場は、秋葉原の神田キリスト教会。
ちょっと先の話になりますが、こちらもチェックして頂ければ幸いです。
http://greenhorn2011.blog24.fc2.com/blog-entry-634.html

IceTrick1 IceTrick2

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