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交差。

croisements kagoshima vol.1 / sound+food+talk2

昨夜、鹿児島市のレトロフトチトセで開催された、
croisements kagoshima vol.1 / sound+food+talk』に伺って参りました。

音を中心に様々なものが交差する場の創造を目指して、
「交差点」や「交差すること」という意味の言葉が名付けられた本公演。
主宰は、視聴覚作家・サウンドパフォーマーの松本充明さん。
ゲストは、チームラボ作品でアルス・エレクトロニカに入選したばかりの音楽家、高橋英明さん。
http://www.team-lab.com/new/news/PrixArsElectronica2014.html
お二人とも、東日本大震災以降に、ご家族で東京から九州へ移住されています。
余談ですが、ピアノ10台作品《Piano Function》を昨年、志布志市で初演させて頂きましたが、
この編成の発案者が松本さんで、初演時のピアニストの一人が高橋さんでした。

croisements kagoshima vol.1 / sound+food+talk1

写真の手前に少し見えるのが、昨日出来たばかりだという高橋さんの仕掛け絵本『The Hole』です。
東日本大震災をきっかけに、過去から未来への繋がりをテーマに制作されたという本作。
トークセッションでは、原発を生み出した人間の欲望に対するメッセージも印象的でした。
アメリカのアニメーションユニット「overture」のアートワークは、可愛くも深遠なイメージ。
見た目はいわゆる飛び出す絵本ですが、各ページに極薄で柔軟性のある「布基板」が仕込まれていて、
付属CDの該当する楽曲を再生すると、人間には聴き取れない周波数の音を感知し、
光による演出が展開されるというのも大変面白かったです。
尚、CD単体でのリリースも予定されているとのこと。
全貌を体感するのが、大変楽しみです!

レトロフトチトセの古書店にある半地下で行われた本公演ですが、ステージに面した書架には、
高橋さんのお父様である音楽評論家・高橋英郎氏のモーツァルトに関する著作集などがあり、
こういう所でもご縁を感じる公演でした。

また、本公演では地域の食という観点でも交流を促そうと、
Hananoki Farmlab」さんの軽食が提供されることも特徴の一つとなっています。
大隅半島にある、福祉と消費者の繋がりを目指す社会貢献型の農場「花の木農場」で、
ゆっくり丁寧に育てられた豚と野菜を使用した『ブックサンド』は、会場の特徴を反映した、
「本を読みながら、片手で手軽に楽しめるサンドイッチ」というコンセプトによる新商品。
写真を取るのを忘れてしまいましたが、見た目も美しく、大変美味しかったです。
しかも、こんなにも楽しいパッケージに入っています。
8日から正式に販売を開始されるということですので、皆様も是非、足を運ばれてみて下さい。

croisements kagoshima vol.1 / sound+food+talk3

さて、本物の「croisement」とは何か。
ジャンルやメディア、共演者をクロスオーバーさせれば実現出来るなんて話ではないでしょうし、
違う分野の似た者同士を集めた所で、普段の活動の延長上にしかならないだろうと思います。

高橋さんは現代音楽の高度な研鑽を積んだ後、周りから将来を嘱望されながらも、現代音楽から離れました。
藝大の先生方(いずれも業界内では高名な作曲家)と口論を繰り返しながらも決断されたそうですが、
その中で、武満徹さんから現代音楽だけに留まらないよう、直接促されたことも大きかったようです。
現代音楽の(特に若い)作曲家が、以前より更に狭い領域に留まっていることへの警告は耳に痛かったですが、
音楽家だからこそ他の分野で可能となることへの期待も、同時に語られていました。

こうした存在の営みが如何に豊かであるか。
それをたっぷりと感じることで、新たな豊かさの種がきっと育まれます。
存続させる理由が不明瞭な延命装置のメンテナンスに、広い意味での関係者全員が精を出すのではなく、
身近な資源に新たな魅力を見出し、周りに提示出来る人が今後、更に求められることでしょう。
打ち上げでは、高橋さんが『The Hole』の裏話も幾つか語って下さいましたが、
誰から頼まれた訳でもなく、これだけのことを思い付き、誰よりも先んじて、赤字覚悟の投資をして、
高いレベルで実現させてしまう音楽家が、他に存在しているでしょうか?

レールから外れたように他者には見えようが、己の道を邁進し続ける。
だからこそ生まれる芸術もあることを、必ず広く提示し続ける。
そのための労力や経費等々を惜しまない。
こうした行為の尊さと厳しさを見せ付けられ、興奮と共に悔しい気持ちも込み上げて、一睡も出来ませんでした。

震災以降、己の存在意義について多くの芸術家が悩み、語り続けて来ましたが、
3年が経ち、よりリアルな問題となっていることを痛感しました。
芸術家としての態度の示し方は、2014年に於いても、確実に存在します。
だからこそ生まれる芸術への希望を、私も非力ながら見つけ、提示し続けて参ります。

croisements kagoshima』は隔月で開催予定だと、松本さんは仰っていました。
芸術家は何かしら難しく考えがちですが、純粋に面白い音楽を楽しめる公演でもありますので、
興味のある方は是非、ご来場されることをお薦め致します!
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