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未来。

みやまコンセール・小ホールにて『みやまの森 初夏の古楽器コンサート』が開催されました。
山を越えて訪れるホールですので、天候が心配されましたが、雨が上がって良かったです。

リコーダー奏者・作曲家の吉嶺史晴先生が主催する公演はいつも濃厚かつ圧巻の内容で、
しかも、終演後に幸せな気持ちで満たされます。
それは、鹿児島国際大学でリコーダーを専攻する前から吉嶺先生に師事していた二人の4年生、
柴立美佐子さん、春花美咲さんと先生がもたらす空気感による所が大きいように感じられます。
また、チェンバロの田中利絵さんが居るからこそ、今日のような古楽器の公演が実現出来て、
多くのお客様と一緒に(鹿児島で)素敵な演奏を体感出来ることも大変嬉しいです。

先生がヨーロッパの古楽や現代音楽の世界で、
どれだけ活躍されて来たのかを改めて説明するのは野暮なので止めますが、
こういう憧れや乗り越えるべき壁としての対象が目の前に居る柴立さんと春花さんは、
とっても仕合わせな学生生活を過ごされているのだろう、と考えることでした。

それは勿論、私にも云えることで、若くて秀でたリコーダー奏者(しかも二人!)に、
拙作を何回も演奏して頂けるなんて、国内ではなかなか経験出来ないだろうと思います。
烏滸がましい話ですが、1年生だった初演時と比べて、成長を確かに聴き取れるステージでしたし、
終演後に拙作について意見交換した際も、その言葉に音楽家の責任の重さを感じることでした。
お二人が卒業後をどのように考えているかは存じ上げませんが、
出来ることなら、私のような(現在の)現代音楽にカテゴライズし難い門外漢だけではなく、
国内外で活躍している作曲家ともコラボレーションして頂きたいと、勝手ながら望むことでした。

今年2月に鹿児島市で演奏して頂いた際の録音をSoundCloudにアップしておりますので、
こちらを是非、お聴き頂きたく存じます。



公演の最後には、吉嶺先生がテナーリコーダー版に編曲された、
J.S.バッハ《無伴奏パルティータ第2番 BWV1004》の全5楽章が演奏され、
その雄大な音宇宙に感銘を受けましたが、やはり、私にとって外せないのが、
2本のリコーダー、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェンバロという編成で先生が作曲された《天の岩戸》です。
今年2月の初演も体感しましたが、各奏者から繰り出される特殊奏法や発声が渦巻く音響世界に、
心から酔いしれると共に、今回も打ちのめされました。
フルートやチェロ、ピアノによる編成で演奏した方が良いのでは?という声も聞かれましたが、
私は、この古楽器による編成だからこそ感じられる迫力や野性味が大好きです。
本作を聴いてしまうと、古楽器の作曲に手を出し辛くなる程のインパクトがありましたし、
何と云っても、その音楽の瑞々しさ、若さに今回も魅了されました。
実際、アルトリコーダーとチェンバロのための新作を構想中ですが、
2月以降は頓挫したままになっていますので、今年中には何とかします。

拙作の演奏前に、少しだけお話しする時間を設けて頂きました。
作品の解説だけでなく、作曲について現在興味のあることを訊ねられましたが、
2月に《Reflectors》が再演された後に、作曲の姿勢が大きく変わり始めたことを簡単に申し上げました。
昨年から今年の上半期に掛けて初演された拙作は、その殆どに於いて、数的なシステムの徹底に努めましたが、
それと同時に疎かになっていた部分が幾つもあったのではないか、ということにようやく気付いたのです。
元からあったであろう門外漢としての切り口を、自ら疎抜いてしまったのではないか。
拙作の再演でありながら新鮮な気持ちで聴くと共に、軽い混乱状態に陥ってしまいました。
(作曲を硬直させないためには、昨年の乱心振りも必要だったと肯定しています)

先日脱稿した《いったんもんめ》からは、これらに注意を払った構造や語り口を求め始めましたが、
久保禎先生が雑誌に書いて下さった「幾何学的にして耽美な固有の空間」という拙作への批評に、
今こそ立ち返るべきだろう、積極的に回帰したいと考える現在です。
だからこそ、機能や関数、儀式といった意味を持つ「Function」を、
弱くてインパクトに欠けると先輩方から注意されながらも、テーマに掲げたのではなかったのか、と。
しかも、この種は昨年、吉嶺先生が拙作について書いて下さったブログの中に、既にありました。
http://blog.goo.ne.jp/fumiharumusic/e/9df6a6205436add6c48ee8561d4de16b
How to be insensitive》と名付けた本作もまた、現代音楽とは呼べないかも知れませんが、
そんなカテゴライズ云々よりも、とにかく大切な作品です。
鹿屋在住のピアニスト、樋園亮さんによるこちらの演奏も是非、お聴き頂きたく存じます。
(また軟化したとか言われそうな音楽ですが、それでも、再演を心待ちにしている作品の一つです!)



話が大きく逸れました。
本公演について、まだまだ書きたいことはあるのですが、それはまた後日にしたいと思います。
音楽家に限らないことですが、ご縁への感謝に尽きる毎日だと改めて実感した、素敵な2時間。
ご出演の皆様、そして、ご来場の皆様、誠に有難うございました!
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