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二枚。

先週、祖父が入院しました。
昨年末から具合が悪かったですし、覚悟はしておりましたが、
担当の先生の宣告は、やはり重たいものがありました。
楽しみにしていた『アイマス』のさいたまスーパーアリーナ公演も、
大事を取って、先行予約を取り消しました。

こういう時に励みとなるのは、やはり音楽です。
単に愉しみや慰みのためではなく、
困難な時でも音楽の未来に挑戦し続ける意志を鼓舞するものに、自然と手が伸びます。
今日はその中から2枚、最近のお気に入りのCDをご紹介します(レビューではありません)

1枚目は『先史時代の歌-夏田昌和作品集-』
昨年末に発売された、待ちに待ったディスクです。
http://www.zipangu-label.com/product/73

夏田昌和先生は、私の音楽に強い影響を与えた作曲家の一人で、
そのきっかけは、2010年の広島作曲コンクール本選演奏会でした。
ゲスト審査員として先生は参加されていましたが、
私の作曲法について「結局はセリーと変わらないじゃないか」と仰り、
ココカラ、自分の語法や技法を見つけなくてはならないと試行錯誤を始めたのでした。
また、他のファイナリストにも「音楽以外のものが果たす役割とその割合」や、
「既にある固有の音楽のイメージと照らし合わせて、己の作品はどうか」
といったことを仰っていて、色々と参考にさせて頂きましたし、
拙作《椿》の響きを先生が「美しい」と仰って下さったことは、大変励みとなりました。

このCDを拝聴して、不遜ながら、
もしかしたら、先生が目指す音楽と私のそれは大きく違わないのではないか、と考えました。
ブックレットの「はじめに」を拝読し、使われる言葉に差異はあるものの、その思いを更に強くしました。
実は、2月に初演される室内オケ作品以降は作風を大きく転換させようと計画していましたが、
「自らと自分の音楽の立ち位置」を考えた際に、私は私の音楽をどうしても諦め切れず、
その軽率な逃げ道を恥じ、思い留まることでした。

収録作品の詳細は、敢えて書きません。
是非、ご自身の耳と心で、お確かめ下さい。

もう1枚は、曽我部清典さんの『透明な孤独 Limpid Solitude』です。
http://www.jade.dti.ne.jp/~ebakos/solocd/

曽我部さんは、現代音楽のスペシャリストとしても名高いトランペット奏者。
一昨年、氏の還暦記念ツアーで《爪紅》という三重奏曲を委嘱初演して頂きましたが、
(ヴァイオリン:宗川理嘉さん、ピアノ:中村和枝さん)
その作曲前に参考資料を兼ねて購入した内の1枚が、このディスクです。

最近になって再び聴き込んでいるのは、田中吉史さんの《eco lontanissima V》が目的だから。
先述のツアーで初めてお会いしましたが、その来歴も含め、興味を持たずにはいられない存在。
中でも何故この曲なのかは、後日改めて説明することに致しましょう。

私は曽我部さんの弱音に強く惚れ込んでおりますが、
「多重録音を使い、共演者が一人も居ない」このディスクでは、
氏の音色を深く聴くことが出来、透徹した音楽の観念がより感じ取れるようです。
松平頼暁先生がブックレットの解説文を書かれていることも含め、お薦め致します。

今回のように生活や家族の困難と向き合うと、
「それでも本当に作曲を続けるのか?」と問われているような気持ちになります。
これは勿論、地元だけで趣味と何ら変わらない作曲を嗜むことではなく、
内外で優れた演奏家と交流をし、そこから生まれた作品を現代の音楽として世に問うことを指します。
精神的な課題だけでなく、時間やお金も無くては継続出来ません。
今年も来年もそれなりに新作の予定がございますので、ここで心折れる訳にはいかないのですが、
身近な所に現代音楽の仲間が実際に居る訳ではない以上、
こうしたCDや楽譜で刺激を注入することは欠かせません。

幾何学的にして耽美な固有の空間。
私は、私が美しいと思う音楽をこれからも書き続けます。
そして、世の中を一瞬でも清めることが出来れば幸いです。
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