記事一覧

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

爽快。

先週10/5、京都のカフェ・モンタージュにて上田希さんのリサイタル、
from nothing』が開催され、無事に終演致しました。
大変素晴らしい内容で、無伴奏クラリネット作品オンリーというプログラムに、
沢山の方がご来場されたことも、素敵だと感じました。

本公演は何と云っても、ラッヘンマン《Dal Niente - Interieur III》でしょう!
氏の作品をCDやラジオで聴いて、訳の分からないままスルーしたり、
嫌いになったりしたような人にこそ聴いて頂きたかった。
奏者に余計な負担が掛からない、程好いスペースでの演奏。
「こんな弱音で演奏出来るのは初めて」と、上田さんも仰っていました。
確かに、一般的にイメージされるクラリネットの音は殆ど聴こえないのですが、
耳を塞ぎたくなるようなものではなく、寧ろ、かわいらしいとさえ感じる音が続きます。

上田さんが所属する現代音楽演奏家集団「next mushroom promotion」が、
2003年に開催した公演『ヘルムート・ラッヘンマンの肖像』では、
ラッヘンマンの初期の集大成とも言える本作をフィーチャーしたそうですが、
その際に何日も掛けて、ラッヘンマンから直接、指導を受けられたとのこと。
スコアだけでは読み取れないような微細な所まで配慮された、
もっと長く聴いていたいような、そんな悦びを感じられる演奏でした。

私の《-ade》は4回目の上演でしたが、
繊細さを保った上での攻める姿勢で、今までで一番良かったと思います。
これまで演奏されて来た会場ではリバーブ感があり過ぎて、
速いパッセージが曖昧になることもありましたが、
カフェ・モンタージュさんの環境は、拙作にとっても程良いものでした。

ご来場された方からは、以下のようなご感想を頂いております。
「前衛音楽でも、ミニマル音楽でもなく、クラリネットの爽やかな律動で新しい世界を作っている」
「実験的で爽やかな音楽なんて初めて聴くことが出来た」
爽快な印象については、上田さんの演奏とお人柄による所が大きいだろうと思います。

演奏前のトークでは、3年前の作品公募で本作を何故選んだか、という私も初耳の話がありました。
スコアが絵画のように美しかったことと、一見して演奏したいと思わせたこと、だったでしょうか。
そう云えば、五線紙に書く作曲を始めた頃、当時お世話になっていた作曲家さんから、
「君は作曲家ではなく写譜屋になった方が幸せになれるんじゃないか」と言われていました。

先日のブログと重複しますが、
上田さんから再演したい旨のメールを頂いた際にスコアを久々に見直して、
現在の作品にある殆どの要素が《-ade》で初めて現れたことに気付きました。
そうした理由もあって、普段は再演になかなか立ち会えないものの、
これだけはライブで聴きたいと思ったのでした。
ラッヘンマン、メシアン、西村朗といった先達の作品と一緒に聴ける機会も、滅多に無いでしょうから。

そして、今回の再演に立ち会ったもう一つの理由が、本作を録音することでした。
過去の本番に関しては、録音して下さった会社の権利の都合上、公開することが出来ませんでした。
手持ちのハンディレコーダーでの簡易録音ですが、
上田さんの演奏の素晴らしさは、きっと伝わるだろうと思います。
(ミックスに関するご助言を下さったTさんとYさんに感謝)



やけに雷が鳴った梅雨の時期、PCやシンセの電源を入れずに、
簡単なシステムを用いながら方眼紙上に書き進めた本作。
このような剥き出しの粗さ、最近欠くしてしまっていたのかも知れませんね。
今後、もっと作曲で攻めたいと感じた公演でした。

新しい出逢いもあり、私にとっても大変充実した公演となりました。
上田さん、カフェ・モンタージュさん、ご来場の皆さん、ありがとうございました!
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

t_AGCH's twitter

カレンダー

03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -

FC2カウンター

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。