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樹影。

先週27日(金)、かごしま県民交流センター・中ホールにて、
森田良平リサイタル2013 this is a contrabass」が開催されました。
共演は、ヴァイオリン:長田新太郎さん、ピアノ:松永愛さん。
「コントラバスオリジナル作品・鹿児島の作曲家による委嘱作品の夕べ」という副題の通り、
委嘱新作を含む、大変意欲的なプログラムを聴かせて下さいました。

特に印象的だったのが、久保禎先生による委嘱新作、
《樹影~鹿児島県根占町“木遣歌”による~》という独奏曲でした。
「コントラバス1本で表現出来る“鹿児島”、そして、自分の名刺代わりになる作品を、、」
という森田さんのリクエストに基づいて作曲されたそうですが、
まさにその通りの作品だったかと思います。

コントラバスの可能性を追求する作品となると、
やたら高音域を使ったり、多様なグリッサンドやパーカッシヴな奏法を披露したり、
ノイズ発生装置のようになっていたり、という印象がどうしても強いと感じています。
(こうした先達の取り組みには敬意を払っておりますが、、)
しかし、久保先生の作品は、現代音楽の観点から見れば常識的な音域・奏法の中で、
「音楽を如何に持続させるか」という難問への取り組みをも含む、
芸術作品としての拡がり、可能性を追求されているようで、大変好感を持ちました。
楽器と奏者の両方に無駄な負荷が掛かっていないため、
豊かな低音がしっかりと鳴り、この楽器特有の音圧を全身で受け止めることが出来ます。
コントラバスの魅力がより一層引き立っていましたし、
結果として「コントラバスの限界に挑む」作品になっていました。
きっと、今までに殆ど無いタイプの独奏曲だったのではないでしょうか。
現代音楽の反省をも踏まえた「現代の新作」であることを強く感じた素敵な作品です。

初演から数日しか経っておりませんが、森田さんは既に数回、再演されたとのこと。
国内外で精力的に活動されている森田さんだからこそ出来ることと申しましょうか。
大変素晴らしいことだと思います。

他にも、アンコールに演奏された《チャルダッシュ》が、
この日演奏された(《樹影》以外の)コントラバスのために書かれたどの作品よりも、
コントラバスの魅力を引き出していたことが印象的でした。

次に久保先生の新作を体験出来るのは、11月9日(土)14時より、
みなみホール(南日本新聞会館4F)で開催される九州・沖縄作曲家協会主催公演、
第33回九州・沖縄現代音楽祭~韓国・ヨンナム作曲家協会会員を迎えて~」でしょうか。
他にも、東大円先生、石田匡志先生、池田圭佑さん、二宮毅さんらの作品が演奏されます。
鹿児島を代表する演奏家が多く出演されることも楽しみな公演です。

27日は他のイベントにも伺うなど、アートを満喫した一日でした。
私だって、他者の華やかな一瞬のトレンドを羨むことがありますけど、
この世を忍んででも、名作を一つ作り上げたい。
評価は死後になっても構わないから、作曲の手を緩めずに攻め続けたい。
何でも無難にこなすことが出来たって仕方ない、ソコソコの作品では駄目だ。
この日、様々な作品に触れる中で、改めて強く考えることでした。

素敵な音楽を体感させて下さった森田さん、久保先生、ありがとうございました!
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