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鹿児島国際大学リコーダー連続演奏会vol.4

坂之上にある鹿児島国際大学に徒歩で到着した時、
「そう云えば、1年生と自分とでは、10歳も離れているんだ」と、
何故か、ぼんやりと思いました。
この後、それを痛感することになるのですが…。


先日のブログにも書きました『鹿児島国際大学リコーダー連続演奏会vol.4』が、
無事に終演致しました。
溝辺や鹿屋からもご来場頂き、大変嬉しかったです。
(一昨年のオペラシティにも来て下さったT先生ご一家、感謝!)

今回も盛り沢山の内容でした。
音楽学科1年(リコーダー専攻)の柴立美佐子さん、春花美咲さんだけでなく、
(柴立さんは、ヴィヴァルディのリコーダー協奏曲を好演!)
副科の学生、「合奏研究I(リコーダー)」を履修している学生、
そして、学外から、高校生が二人(一人は自作自演!)、
鹿屋市在住で、チェコにて研鑽を積まれたピアニスト、樋園亮氏など、
出演者も多彩な、このコンサート。
勿論、音楽学科で講師を務められているリコーダー奏者、作曲家の吉嶺史晴氏も、
出演されます。

夏季休暇に入る前としては最後となった今回ですが、今までとは違う特徴がありました。
それは、初演の作品が二つもあることです。

一つは、音楽学科1年(サクソフォン専攻)の餘慶 奨さんが作曲された、
リコーダー二重奏のための《かまきり》という作品。
これには、一発KOされました。
素晴らしい!
どのように作曲されたのか、どういう経緯で本日の演奏会に取り上げられたのか、
つまり、吉嶺氏とやり取りをしながらの作曲だったのか、全く存じ上げませんが、
元々の才能と、管楽器奏者としての直観や経験が発揮されたのでしょうか、
リコーダーの魅力を十分に楽しめる作品でした。
不協和な音程や特殊奏法も出て来ますが、全く嫌らしくなく、
曲に必要だから使っているだけ、という単純かつ重要な理由を、
さらっと口にしてしまいそうな印象さえ受けました。
演奏家への無駄なストレスも、演奏回数を増やせば、自然と減っていくでしょう。
所要時間を計っておりませんでしたが、
その辺りが解決されて、もう少し推敲を重ねれば、
二重奏のレパートリーとして十分に使える作品になるのではないでしょうか?
音楽の学生には珍しいタイプなのかな、と思ってしまったご本人のキャラクターも、
微笑ましいというか、羨ましいというか…。
きっと、彼自身が彼の「音楽」そのものなのでしょう。
良い意味での「若さ」も、眩しく感じられました。
こんなことを感じるなんて、それなりに年を取ってしまった証拠なのでしょうね。


もう一つの初演は、拙作、リコーダー二重奏のための《reflectors》でした。
実は、練習には一度も立ち会っておらず、演奏を聴かせて頂くのは、この本番が初めて。
つまり、私がスコアに書いたこと以外は全て、
初演して下さった柴立さん、春花さん、
そして、指導にあたった吉嶺氏のお三方によるものということです。
初演としては珍しいことなのかも知れませんが、
既成の曲を演奏するプロセスとしては、ごく普通のものだとも思えます。
私の音楽がどれだけ楽譜に定着させられていたか、ということが試される時でもあります。

結論から申し上げると(前置きは既に長くなっていますが…)、
私の予想(と、正直な話、かなりの不安)を見事に裏切る、素晴らしい初演となりました。
作曲時に想定していた幾つかの選択肢には無い、新しくて素敵な解釈が幾つも込められた、
オリジナルの音楽だったと思います。
そして、私がイメージしていた音楽とは「良い意味で」違うものになっていたということは、
スコアだけで私の音楽を伝えるセンスや実力が私に欠けている結果でもあります。

もしかしたら、苦肉の策としての楽曲解釈もあったかも知れません。
実際、今回の拙作は(今回も?)、かなり難しい曲となりました。
フルートのようにキーが無い、楽器に開けられた穴を指で直接押さえるリコーダーにとって、
トッカータのように突き進むフレーズの多用は、困難を極めたことでしょう。
(その特有の効果を狙ったとはいえ、演奏のストレスが溜まる一方だったかも知れません)
二本のリコーダーによる音程を正確に取っていくことも困難なことで、
楽器の特性上、そこは問題にしないつもりではありましたが、
その前置きが楽譜に明記されておらず、
逆に、音程の正確さを求めているかのように読み取れる楽譜となってしまったことも、
苦戦を強いる一因となったかも知れません。
見慣れない特殊奏法も、幾つもあったでしょう。
(特殊奏法の解説は英語で書きましたが、もっと分かり易い書き方があったかも知れません)
最後のフラジオレットのみでの絡みなど、演奏上のストレスは如何ほどのものであったか…。

しかし、繰り返しますが、初演自体は最高に素晴らしいものでした。
それは、演奏後の拍手の大きさにも表れていました。
冒頭の歪んだシンメトリックなモーションから、自作にも拘らず、鳥肌が立ちましたもの。
(何故でしょう、ちょっと貫禄さえ感じられるお二人のハーモニーでした!)
指定されているテンポよりも大幅に落としてある箇所も散見されましたが、
そのために、曲のメリハリが付いて、ダイナミクスが増したようにも感じられました。
件のフラジオレットも、所有されている楽器の構造上の問題もあり、
記譜された全ての音を鳴らすことは出来なかったようですが、
そのために、疑似的な偶然性が生じたような効果となり、
集中しないと聴き逃してしまうような音量も相まって、緊張感に満ちた終結部となりました。
私自身、幾つもの発見が出来たと共に、大きな学びとなりました。

演奏がぶつ切り状態になっているのは少し残念でしたが、
何度か演奏を重ねていけば、そんなことは軽く解決されることでしょう。
また、当初は演奏コンクールで取り上げることを想定して作曲しましたが、
それ以外の機会では5分以内に収める必要も無い訳ですし、
もっとたっぷりとした曲の解釈に基づいて演奏するのも良いのかも知れません。
そのような解釈を取り入れる際には、冗長に感じられる部分を思い切ってカットして、
更にブラッシュアップした曲にすることだって可能かも知れません。
ただ、高速パッセージの箇所も練習を重ねて頂けるようですし、
私がイメージしたものに意外と近付いてくる可能性だって残されていますので、
当分は、今回のスコアを決定稿にしようかと考えております。
でも、リピートだけは、削除しようかな…。
(スコアを希望して下さった方へ。少し推敲した後、近日中にお送りさせて頂きます)

私の配慮が足りないために、しかし、曲の新しい解釈を導き出されたお三方に、
心より感激、そして、感謝致しました。
勿論、結果オーライなんて無責任なことは許せず、自分の中では大反省会です…。

終演後、吉嶺氏、柴立さんと拙作の問題点について意見交換出来たのは、
大変貴重な体験となりました。
初演の当日中にじっくりと問題点を語り合える機会って、
実はそんなに多くないように思われます。
今後、この《reflectors》が上演の機会に恵まれるかは分かりませんが、
(それは私の働き掛け次第でもありますけど)
もし次があるのなら、きっと更に素晴らしい演奏となることでしょう。

今日の演奏会について、吉嶺氏が早速、ブログにまとめていらっしゃいます。
是非とも、ご一読頂きたく存じます。


現代音楽界で、リコーダーは間違いなく「熱い」楽器の一つです。
しかし、作曲家は現状に追い付けていない、
作曲したとしても演奏家が極端に限られている、などの問題もあります。
ハイレベルな演奏を学ばれている、お二人の若いリコーダー奏者さんに初演して頂けたこと、
本当に幸せなことでした。


吉嶺氏のブログによると、2011年度後期の『リコーダー連続演奏会』では、
チェンバロとヴィオラ・ダ・ガンバによる通奏低音の登場も予定されているそうです。
今から、わくわくが止まりません!
(リコーダー、チェンバロ、ヴィオラ・ダ・ガンバの新作を妄想してしまう悪い癖ww)

また、拙作を演奏して下さった春花さんですが、
9月18日(日)、日暮里サニーホール コンサートサロンで開催される、
第25回レ・スプレンデル音楽コンクール入賞者披露演奏会」にて、
廣瀬量平氏と久保禎氏のリコーダー独奏曲を演奏される予定とのことです。


作曲についての悩み事は尽きず、
本日の初演でも、「拙作は、なんて尻の穴が小さいんだろう」と痛感したのですが、
たまには立ち止まってでも勉強を重ねて、一歩でも前進出来たら、みたいに、
前向きに思いながらの帰途であったのは、確かな収穫だったかも知れません。

次の拙作の(公開での)上演は、8月に1件、入るような入らないような、
私自身も把握出来ていないものが一つあります。
9月からは、私ごときのレベルの者には勿体無い、上演ラッシュに入ります。
(当社比というか、自分の中での基準ですけど)
一つ一つの機会を大切に、そのご縁を大切に、今後も精進して参ります。

今日の演奏会にご来場頂いた皆さん、開催に関わられた皆さん、
そして、ご出演の皆さん、誠にありがとうございました!!

ぼんぼる!!!
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