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リコーダー二重奏のための《reflectors》

7月21日(木)、鹿児島国際大学8号館4階ミニコンサートホールにて開催される、
鹿児島国際大学リコーダー連続演奏会vol.4』にて、
拙作、リコーダー二重奏のための《reflectors》を初演して頂きます。

この演奏会は、「リコーダーの持つ面白さや魅力を広く学内外に知ってもらおう」と、
国際文化学部音楽学科で講師を務められているリコーダー奏者、作曲家、
吉嶺史晴氏のプロデュースの下、今年4月から月1回のペースで開催されているもの。
今回の『vol.4』は、夏季休暇に入る前としては最後となる演奏会。
そこで拙作を取り上げて頂けること、大変光栄に存じております。
(6月30日に開催された『vol.3』の模様は、こちらからどうぞ)

作曲のきっかけは、鹿児島在住の作曲家で集まった、今年2月の飲み会。
吉嶺氏とお話しさせて頂く中で、リコーダー曲の作曲をしたいと思うようになりました。
(それ以前から思い描いてはいたものの、具体的なイメージまでは掴めませんでした)

作曲するにあたって、吉嶺氏から様々なアイデア、アドバイスを頂きました。
主だったものは、以下の通り。
編成は、アルトとテナーの二重奏。
演奏コンクールで取り上げることが出来るよう、演奏所要時間を4分40秒程度にする。
演奏する立場から見て、「のりしろ」を持った「キャッチー」な楽曲が良い。
それはポップス風のメロディを入れるという意味ではなく、
先ずは、楽器が「よく鳴る」ように書かれていることが大前提。
楽曲の構造自体は、あまり変わったものでない方が好ましい。
特殊奏法の指定も、幾つかありました。

吉嶺氏とお話しさせて頂く中で頻繁に出て来るキーワードの一つが「シンメトリー」です。
これを敷衍したような曲にしたい、というのが私の最初のアイデアでした。

アルトリコーダーとテナーリコーダーは、同じ指使いで演奏すると違う音が出ます。
(テナーリコーダーは、基本的にソプラノリコーダーのオクターブ下の音が出ます)
逆に、同じメロディを演奏しようとすると、互いに違う指使いをしなくてはなりませんし、
微妙にピッチの違う、独特の揺らぎを含むユニゾンとなります。

以上を踏まえて、二本のリコーダーに「互いに互いを映す鏡」という役割を与え、
その鏡像が常に歪んだものになるような、いびつなシンメトリーを想定しました。
「反射鏡」という意味を持つ「reflectors」をタイトルとしたのは、
この辺りを意識してのことでした。
タイトルを決めるにあたっては、反行、逆行、拡大、縮小などのカノン、
または、フゲッタのようなものが頭にあったことも影響しました。

作曲の際に参考にした曲は、古典的な様相のものが殆どでした。
植松伸夫氏による『FF9』の《いつか帰るところ》を始め、
(『FF9』の音楽のテーマ自体が古楽だったようです)
『幻想水滸伝II 音楽集 ORRIZONTE ~オリゾンテ~』
『勇者のくせになまいきだ:3D ジャイアント・リサイタル』
この2枚は、かなり聴き込みました。
また、私の愛聴盤の一つである、トラジコメディアによる
アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳』も、改めて聴き直しました。
逆に、現代曲(フルート曲を編曲したものも含む)は、殆ど聴きませんでした。
リコーダー曲だからこそ、ピッチを不確定、曖昧にするような要素は最小限に留めたい、
という考えもありました。

この《reflectors》には、主に、次の二つのフレーズしか出て来ません。

一つは、曲の冒頭に現れるフレーズ。
「reflectors」という単語(複数形)に含まれる五つの音名、
すなわち、「C、D(=re)、Es(=S)、E、F」から成るフレーズ。
これを奏するアルトリコーダーに対し、テナーリコーダーは、
フレーズの音高線に対して反進行するようなものを奏します。
ただし、きれいなシンメトリーを形成することは殆ど無く、
「アルトがこの音高を奏した時、テナーはこの音高を奏する」
という簡単なルールに基づき、フレーズが作られています。

もう一つは、曲の中間部に出て来る大変素朴なフレーズ。
曲の大部分は、これを自由に変奏したフレーズから成っています。
つまり、この元となったフレーズより先に、変奏されたものが出て来ることもある訳です。
この曲の練習番号は「A」から「G」までありますが、
件のフレーズが出て来るのは、その真ん中にあたる「D」であり、
ここを境として、曲全体がゆるやかな(多分に自由な)シンメトリーを描いています。
例えば、「B」と「F」では、「D」のフレーズを類似したルールで変奏していますが、
そのルールの変数の扱いは全く異なる、といったイメージです。

特殊奏法は、私が至らぬために、大変悩みました。
先日、Twitter上の一部で盛り上がっていた「サブハーモニクス奏法」も、
某作曲家さんが指摘されていたように、
「それでは、如何にして実際の作品で用いるか」という問題を孕んでいます。
(ごく一般的な意味で)作曲家と演奏家の微妙な乖離もあるのでしょうが、
思考や技術も含め、互いに歩み寄れないうちは、
文字通り、「特殊」なままで終わりかねない奏法も多いでしょう。

今回用いたものの一つに、最弱音の魅力を引き出す「フラジオレット」がありましたが、
これを含むフレーズを演奏する際の演奏者の心理状態も含め、
吉嶺氏から幾つものアドバイスを頂きました。

逆に、初稿の段階ではあったものの、現時点での決定稿では無くなっているものの一つに、
声とリコーダー音を同時に出すことで和音を作る技法があります。
初稿ではワンショット的な用い方でしたが、曲全体を見た際、本当に必要か、
ということを考えた上で、割愛することに致しました。
この技法を用いた作曲に関しては、今後の課題に致します。

ちなみに、リコーダーを二本同時に演奏したり、リコーダーを横にして演奏したり、
リコーダーを分解、損傷(燃やすことも含め)したりするものは、
この曲に限っては、最初から排除致しました。
また、8番の穴(おしりの穴)を太ももで押さえる音高さえも、全く使っていません。
(もしかしたら、演奏の便宜上、使うことになる場合もあるでしょうが…)

以上のように作曲した《reflectors》を初演して下さるのは、
国際文化学部音楽学科1年 リコーダー専攻、柴立美佐子さんと春花美咲さん。
このお二方は、入学前よりリコーダーと音楽理論を吉嶺氏に師事されていて、
2010年3月に東京で開催された『全日本リコーダーコンテスト』では、
Joy Ensemble」として、最高の賞である金賞を受賞された実力派です。
実は、今回の拙作の演奏は未だ聴いていないのですが、
このお二方でしたら、きっと素敵な初演になるだろうと、
21日(木)の演奏会を楽しみにしている所です。

この演奏会では、国際文化学部音楽学科1年 サクソフォン専攻、餘慶 奨さんが作曲された、
リコーダー二重奏のための《かまきり》も初演されるそうです。
タイトルからして、期待しか出来ないような感じがして、こちらも大変楽しみにしております。

その他、コンサートの詳細につきましては、こちらの吉嶺氏のブログからどうぞ。
今回も吉嶺氏と、鹿屋市在住のピアニスト、樋園亮氏による演奏が予定されているとのこと。
このお二方は、先日開催された福岡でのジョイントリサイタルも盛況に終わり、
8月13日(土)には、
「サンエールかごしま」にて、ジョイントリサイタルが予定されているとのこと。
この夏、要注目の演奏会であることは間違いないでしょう。

長くなってしまいました。
21日(木)は鹿児島国際大学で、素敵な音楽の時間を楽しみましょう!O(≧▽≦)O
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