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無事。

16日に「會田瑞樹×溝淵加奈枝デュオリサイタル」が開催され、
ソプラノと打楽器のための新作《螢》が無事に初演されました。

本記事のタイトルをわざわざ「無事。」としたように、初演まで色々とありました。
初演前日にもスコアを修正する必要がありましたが、
今回使用出来なかったワイングラスのグラス・ハープ奏法を含むオリジナル版で、
またいつか再演して頂きたいです!(下に掲載したスコアはオリジナル版です)

今回配布されたプログラムには、會田さんによる作品解説が掲載されていました。
掲載の許可を頂きましたので、拙作へのコメントを抜粋してご紹介致します。

  斎藤茂吉の一首「草づたふ朝の螢よみじかかるわれのいのちを死なしむなゆめ」をテクストとしている。
  近年、田口の作品は数学的処理によるリズムパターンと、フラジャイルな音使いに重点が置かれており、
  本作品もその傾向を踏襲している。
  本作品は弓奏による幻想的な序部、「HOTARU」のモールス符号を当てはめた反復性をもつ提示部、
  ヴィブラフォンの音色の増幅とテクストの叙情性を重ね合わせた展開部、
  そして再び静寂を取り戻す終結部からなる。
  全体を通して感情と理性が同居し、拮抗の果てに和解を取り持つ音楽としてその魅力を放っている。

私のWikiが出来ていた時もそうでしたが、このように拙作は聴かれているのかと興味深く、
特に最後の行など、私の語彙の範疇を超えていて、何だか気恥ずかしかった(でも、嬉しかった)です。

プログラムには大体、作曲者自身の云い分が掲載される訳ですが、
今回の會田さんの試みは面白かったかと思います。

また、拙作の殆どはラウドでファストな傾向がありますが、
本作では沈静というより停滞したような、推進力の無い音楽を目指しました。
と申しますのも、今回選んだテキストは茂吉の代表作のようなものですが、
茂吉自身が自著の中で「常識的意味に明瞭を欠いた」と書いているそうです。
ならば、その点も踏まえて音楽にしたいと考えました。
聴いた際にテキストを聞き取れるようなメロディにしないことも、この段階で決めました。
(テキストがあると、どうしても進んでしまうのです、、)

これは私の音楽の傾向とは全く違うものですから、
色々と試しながら、傷痕も残しながらの作曲となりました。
もしかしたら、頭に偏って作った音楽となってしまったかも知れません。

作曲時の意図と初演での音楽に大きな差があるとは思いませんでしたが、
この課題設定自体に問題は無かったか、これから吟味しなくてはなりません。

拙作は、お二人の魅力を細部まで引き出せる曲ではなかったかも知れませんが、
前半の沈静した箇所でのお二人はとても良かったと思います。
抑制した中での表現の豊かさがあったのではないでしょうか。

本公演は、編曲作品が全く無い、歌と打楽器のために作られた作品ばかりが集まりました。
日本人作曲家に限ると、この編成はそこまで多くないとのこと。
また、合唱曲や学内で初演されるものは別として、女声を含む作品自体、かなり限られるそうです。

正直に申し上げて、歌曲の作曲はとても難しいです。
今夏、現代の日本の言葉遣いによる歌曲が初演される予定ですが、今、とても頭を悩ませています。
茂吉の歌を選んだのは、ある種の「逃げ」でした。

でも、声のための作品にしっかり向き合わなくてはならないと、本公演を通じて思うことが出来ました。
それは溝淵さんの多様な表現、特に伊福部作品で彼女の声の魅力を体験出来たから。
新しい作品を求める演奏家に応えられるようになりたいです。

このように書いたら、會田さんは打楽器も同じような状況だと仰るかも知れません。
当然のことながら、打楽器は鍵盤打楽器や、音律があるものに限らず、
まだまだ可能性があるのでしょうが、少なくとも私の想像はそこに追い付いておりません。
11月、彼のために作曲する膜質打楽器の独奏曲が初演される予定です。
その時までに、打楽器から私なりの音楽を導き出せるようになりたいです。

會田さんと溝淵さんのリサイタル、良かったと思います!
次回公演もいつか開催されるでしょうから、その際には更に多くの方にご来場頂きたいです。

開拓に努める若い演奏家と出逢えた仕合せに感謝!

そう云えば、打ち上げでは私が最年長でした。
現代音楽公演でこんな状況は初めてだったんちょす、、(p`・ω・´q)

螢1 螢2 螢3
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