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念願。

どもっヾ(´ω`=´ω`)ノ自分です。

鹿児島国際大学国際文化学部音楽学科「平成24年度作曲コース作品展」に伺いました。
在学生、交換留学生、卒業生、教員の全6組が出演する約1時間の内容。

今回、特に聴きたかったのは、
宮内綾子さん(短期大学部音楽科卒業、同研究生修学)のピアノ作品《暗闇と光》です。
これは2008年に開催された「第4回東アジア国際作曲コンクール」入選曲で、
日本、韓国、中国の35歳以下の作曲家に応募資格がある国際コンペティションですが、
この時、日本人で唯一のファイナリストとなったのが宮内さんでした。

一昨年の「南日本音楽コンクール60回記念コンサート」では、
鹿児島を代表する作曲家5名の中に選ばれ、祝典組曲を共作するなど、
活発に作曲を展開されています。

私にとって、初めて強く意識した(ほぼ)同世代の作曲家ということもあり、
宮内さんの作品は出来るだけ聴きに伺うよう努めて参りましたが、
未だ聴けずにいたのが、この《暗闇と光》でした。

最初の和音が鳴った瞬間から、
「ずっと待っていて良かった!」と心から叫びたくなりました。
ドビュッシーやメシアンを経過した邦人作品でよく聴くような和音が連なっているのですが、
程良い所で、こちらの浅はかな予想を軽やかに裏切ってくれるのです。

先ず、この軽やかな聴き心地に惚れました。
技巧的なパッセージが幾つかあるものの、精神に抗うような印象は特に与えないものでした。
タイトルからして重い内容を想像していたのですが、死生観や宇宙観に由来するというよりかは、
映像や写真の表現としての「暗闇と光」を連想しました。
(全くの思い違いかも知れませんけど、、、)

そして、私が特に惹かれたのは「予想を裏切る」ことでした。
相手に予想させるためには、記憶に呼応させなくてはなりません。
現代まで行かずとも、近代くらいの和声に親しんでいれば、そこまで抵抗無く聴けるであろう音楽。
しかし、その展開はなかなか読めないのです。
特にアルペジオで弾かれるような箇所など、思いもよらない音が登場します。
現代音楽の音の身振りとはまた違った、新鮮な音楽です。

私はソルフェージュ能力がありませんし、スコアも拝見していないので断定出来ませんけど、
宮内さんは無調のつもりで作曲したそうですが、中心音はきっと存在しており、
しかも、曲の進行と共に中心音は変わっていきます。
つまり、擬似的な転調が起こっているように聴こえるのです。
無調なのに異名同音の臨時記号に違和感を覚えることがありますが、
これは調性的な感覚が働いていることも一因でしょう。
調性から耳が解放されていないことを痛感すると共に、調性の魅力を無調の作品で再確認しました。

もう一つ、この作品で強く惹かれたのが、休符です。
フェルマータの停止延長など、いわゆる「間」が重視されることはよくあります。
でも、この曲の休符は、グルーブを形成するためのものに聴こえました。
今日は作曲者自身による演奏でしたが、ゴスペルの伴奏のお仕事などもされているそうですので、
そういう経験が休符の捉え方に影響しているのかも知れません。
現代音楽然とした作品ではなかなか味わえない類のものです。

こういった要素が組み合わさり、曲全体が沈殿しがちな和声重視の曲であっても、
しっかりと方向性を持って音楽が進行するのです。
勿論、ソナタ形式などに裏付けられたベクトルではなく、
宮内さんの様式に基づいて、音楽に句読点が付けられていました。

もっともっと広く演奏されて欲しい作品です。
少なくとも鹿児島県内において、
《暗闇と光》をレパートリーとするピアニストが何人か居てもらいたい、そう思うほどです。

今日の演奏会では、久保禎教授の《光の縁》も大変印象的でした。
これはオーボエ、打楽器(大太鼓とタムタム)、ピアノの三重奏曲で、
「第11回ヨンナム国際現代音楽祭招待作品」にもなった作品。
私にとって、先生の作品の中で最も好きな曲の一つです。

今回の演奏は、この曲には欠かせないオーボエ奏者の片倉聖さん(非常勤講師)、
久保先生ご自身のピアノに、打楽器は音楽学科3年の内原圭乃さんでした。

素材はそれぞれに指定されているものの、その発音のタイミングや持続の長さなど、
音高に関すること以外は演奏者に委ねられている部分が多い作品。
正直な所、学生の演奏で大丈夫なのだろうか、と失礼ながら心配しておりました。

でも、とても良い音楽になっていたと思います。
オーボエのノイジーな重音をピアノと打楽器が覆い尽くし、再びオーボエの音が浮かび上がって来る。
光の縁(へり)というものがあるとしたら、きっとこのような感触なのでしょう。
打楽器に関しては、奏法を一部変更していたようにも見えましたが、
この曲が持つ「品の良い厳しさ」が削がれることはありませんでした。

《光の縁》の解説に、次のような一文があります。
「東アジア特有の変幻自在な時空間がひとつの大きなうねりとなって立ち現れる」
久保先生は、日本や東アジアを前面に出した創作を続けられていて、
ご公務のお忙しい中でもアジアの作曲家と密に交流し、
東アジアを始め、ヨーロッパなどでも作品が演奏されています。
思想的な創作の態度は、根なし草の私に大きく欠けているものであり、
地域や自然に立脚した先生の作品には、いつも感銘を受けております。

お伺い出来て良かったと強く感じられた公演でした。
ご出演の皆様に、心より感謝申し上げます。
素質のある方々に対するコンプレックスは尽きませんが、私も頑張って参ります!(*^▽^)/★*☆♪
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