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デュオ・リサイタル、終演!

梶ヶ野亜生(箏)&福田井山(尺八)デュオ・リサイタル
終演致しました!
先ずは、ご来場下さった皆様、誠に有難うございました。

古典から新作初演まで、幅広いプログラム、充実した内容をお届け出来たのではないか、
と思っております。
梶ヶ野さんと福田さんという素晴らしい演奏家さんのおかげで実現出来た公演です。
私にとっても、このような公演は初体験でしたので、
ゲネプロの段階から、かなり興奮して聴いておりました。
「邦楽器に対するイメージが変わった」というご意見も多く頂き、嬉しかったです。
そういうイメージを持つことさえ難しいような、意外と縁遠い楽器なのかも知れませんし、
実際、邦楽器の公演に初めていらした方も多かったようです。

当初、様々な理由から、集客を心配致しました。
しかし、200人を超えるお客様にご来場頂き、正直驚きました。
とにかく多くの方に観て頂きたかった本公演。
その目標も、少しは達成出来たかと思います。

公演の全てに触れていると、字数が幾らあっても足りないので、
ここは、拙作のことを書きたいと思います。

尺八(五孔一尺八寸管)、声、十三絃箏のための《夜想曲》
無事に初演を終えることが出来ました。

作曲の話を頂いたのは、2009年の夏。
前回の『デュオ・リサイタル』公演の時でした。
ただ、尺八と箏のための曲は既に沢山ありますし、
第一、楽器のことが何も分からなくて、書きたい曲が全く思い浮かびませんでした。

2009年11月、『第26回現音作曲新人賞本選会』のため、上京していたのですが、
2回目のリハーサルの日、茗荷谷のLa Lyreで開催された、
TsuguKaji-KOTOのコンサートに伺ったことで、曲のイメージが掴めました。
TsuguKaji-KOTOは、梶ヶ野亜生さんと山本亜美さんによるユニットで、
手(器楽)の曲だけでなく、声を使った表現にも積極的に取り組んでいらっしゃいます。
そのコンサートも、溝入敬三さんや高橋久美子さんの作品など、
初演も含め、ほぼ全ての曲で、何らかの声が入っていました。

確かに、声を用いた現代邦楽は比較的少ないような気がする…。
よし、私も挑戦してみよう…。

今回の『デュオ・リサイタル』の開催自体、紆余曲折あり、
2011年4月10日に公演日が決まってから、本格的に取り組み始めました。
歌詞のやり取りを数回行なった後、五線紙に向かったのは、昨年12月から今年1月まで。
上田希さんのリサイタル『毒っとクラリネット!』のため、
1週間、京都の嵯峨野に滞在していたのですが、その時に、曲の大半を書き上げました。

作曲していた時には気付かなかったんです…。
この曲が、超絶技巧の連続になっていることを…。ww
リハーサルで初めて聴いた時、びっくりしました。
ちょっと、やり過ぎたか…?ww
歌のメロディも、少しでもストレスを感じさせないように何度も書き直しましたが、
どう聴いても、音を取り辛いものばかり。
(しかも、箏を弾きながら唄う訳ですから…)
古典的な楽曲構成でもありませんし、
演奏のお二方も、どのように曲を掴めば良いのか、悩まれていたのかも知れません。

2回目のリハーサルの時、印象が大きく変わりました。
演奏を聴く際は楽譜に集中していましたが、うつむき加減で、笑いが止まらない感じ。
自分の曲なのに(だから?)、終始、興奮致しました。

更に興奮したのが、お二方から、どんどんアイデアが出て来たこと。
私からは出て来ることが無いであろうアイデアばかり。
伝統的な「型」と云ってしまって良いのか分かりませんが、
特に、微妙な(1秒にも満たないような)間の空け方に、
曲が引き締まるような感じが致しました。
ただでさえ、「音」や「型」が完成されている邦楽器の世界です。
作曲家の入る余地が無いと考えながら始めた作曲でしたが、
良い具合に「コラボ」出来たのではないかと思います。

また、邦楽器の作品の場合、同様の理由で、
即興の部分が一番強烈だったり、素晴らしく感じたりすることも、悩みの種でした。
(それはそれで、素敵なことなのですが…)
今回の《夜想曲》では、1ヶ所だけ、演奏家さんにお任せする所がありました。
楽譜上は、尺八の独奏となる箇所なのですが、
「箏の調絃を13本全て変える際に、故意につまびきを聞かせる」
というような指示を書きました。
これがまた、すごいんだ。www
私などでは考え付かないタイミングで、的確なフレーズをどんどん入れて来る。
しかも、演奏の度に違うフレーズになっているのに、不適切だと1回も感じさせませんでした。
楽器の活きる「音」や「型」が、自然と共存出来ていたのでしょう。
尺八の倍音奏法や重音等も多用しましたが、記譜上は馴染みの無いものでも、
伝統奏法において既に見られるもの、または、それを応用したに過ぎないものばかりでした。

打ち上げの際、
「邦楽器奏者の世界は、西洋楽器のように細分化されていない。
 古典もやれば、現代曲もやる。ポップスもやる。そういう世界。」
というような話が出ました。

だから、このように幸せな初演を迎えられたのかも知れません…。
拙作は、特殊奏法を多用する一方、
突然、モーツァルトのような甘い音を求めたり、
ロックやアニソンwwの要素を求めたりするのですが、
正直、満足出来ない初演も幾つかありました。
どちらが良いか悪いか、という話ではなく、
少なくとも、今回の拙作には仕合わせな巡り合わせ、ご縁だったと思います。

勿論、課題もございます。
特に感じたのは、小節線の影響力です。
「何分の何拍子」という指示は一切無いものの、便宜上、小節線は引きました。
しかし、そこで音楽が途切れるような印象を何度も受けました。
拙作の息が短いのも原因でしょうが、
記譜されていることを基に演奏される訳ですから、
小節線も、フレージングやビート感を解釈する際の大きな参考になる訳ですよね。
もっと考慮して記譜しないといけない、と痛感致しました。

あと、今回の曲に限らず、
拙作を聴いて、演劇や舞踊を連想される方がいらっしゃいます。
そのためなのか、「演出が行き届いていない」というご意見も幾つか頂きました。
これについては、(ここでは書き辛いww)言い訳したいこともあるのですが、
それでも実現出来た内容はあったと思うので、今後の課題としたいです。
楽譜上からは読み取り辛い内容であっても、
やはり、そこには演奏家の一挙手一投足が織り込み済みである筈ですし。

昨年から、私の作曲は「twitter作曲」だと呼ぶことがございます。
別に現代音楽的に意義のある名称でも何でもなくww、
twitterで頂いた情報や刺激を基にして作曲するようになった、という話です。
その意味では、《夜想曲》は今までで一番の「twitter作曲」でした。
楽器の仕組みや演奏風景を収めた映像資料を送って下さった作曲家さん。
現代邦楽の楽譜を送って下さった作曲家さん。
初演されたばかりの作品の楽譜を送って下さった作曲家さん。
邦楽器のために作曲することについて、相談に乗って下さった作曲家さん。
この方々のおかげで、《夜想曲》を作曲することが出来ました。
(その影響が、タイトルにも出ているのですが…w)
改めまして、有難うございました。

この《夜想曲》は、再演を実現させたいです。
以前は、「再演に力を入れるより、新作を書いていきたい」と思っていましたが、
再演を重ねられないことも、現代音楽の、私の大きな課題だと考えるようになってから、
意識が変わり始めました。
一度だけ聴いて、全てを分かるなんてことは無いでしょうし、
そんな簡単な曲を書いているつもりもございません。
仕掛けられたネタに気付いて頂くためにも、録音や録画という手段もありますが、
生演奏の機会を多く持てるようにしたいです。

長くなって参りましたし、書き忘れたこともあるとは思いますが、今日はこの辺にて…。

素晴らしい初演をして下さった梶ヶ野亜生さん、福田井山さん。
素敵な機会を与えて下さった久保禎先生。
公演の開催に当たって、ご協力頂いた皆様。
鹿屋市音楽家支援ネットワークの会員数名にも、ご協力頂きました)
そして、何より、ご来場下さった皆様。
衷心より、感謝申し上げます。
ありがとうございました!

■■■
《夜想曲》 尺八(五孔一尺八寸管)、声、十三絃箏のための

月は、夜に限る。
闇の中に浮かぶ月には、恐怖さえ覚える美しさがある。

今、ここに居る私には、あの月を掴むことは出来ない。
水を張った銀の盆に月を映しても、それに触れることさえ出来ない。

私の中にある夜の印象を糸として、大きな布の如き夜を作り上げたとしても、
そこには憧憬があるばかり。
月を浮かべることは出来ない。

あの月に逢いたければ、夜を想い、慕い、夜に逢わなければならない。

この曲では、夜を想う詩が唄われる。
尺八と十三絃箏もまた、それぞれに夜を想いながら、自らの詩を唄っている。

夜を選り、夜を縒る

月に哭く

朝は来ずとも 夜を詠み
昼は来ずとも 夜に酔う
今、そこにある 光を見んとす
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コメント

こっちでは初めまして、だっけ。


行きたかったなぁ。
ぐっさんの描く曲で和楽器がどんな音を奏でるか興味あったんだけど、
丁度地獄の二番底の三週間にかかったのが私の不運だった。

いずれどっかで見聞できる機会があると思って、
その日を楽しみにします。
それに鹿児島市でも何かやらかす予定があるみたいだしね。

ありがとうございます!

> eRoiMoさん

はい、こちらでは、はじめましてです。
いらっしゃいませ。
あと、返事が遅くなり、申し訳ございませんでした。

邦楽器だし、歌モノだったし、確かに聴いて頂きたかったです。
でも、いつか機会を作りますので!
再演を実現させるためにも、その費用を稼ぎますよ!ww

今回、鹿児島市在住の演奏家さんも多くご来場下さいました。
その方々に少しでも拙作が引っ掛かってくれれば、
鹿児島市で何らかの上演が出来るようになるかも知れません。
草の根活動を頑張っておりますよ。

次の機会の際には、是非とも、ご来場頂きたいです。
あと、近日中に呑みましょうね!ww

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